大高宏雄の「日本映画界」最前線
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日本初上映から60年 「映画の日」は割引だけでいいのか?
12月1日は映画の日である。エジソンが発明した映画の初歩的な装置「キネトスコープ」が神戸で日本初上映されたのが、1896年の11月25日から12月1日のこと。それを記念して1956年、12月1日が映…
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再起動の「日活ロマンポルノ」 映倫再審査で旧作も復活
いよいよ今週末から、リブート(再起動の意)と命名した日活ロマンポルノの新作が公開されるが、ちょっと興味深い試みが耳に入ってきた。かつての代表作の何本かがCS有料放送「衛星劇場」などで見られるというの…
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下ネタ満載 出色の米CGアニメ「ソーセージ・パーティー」
映画「ソーセージ・パーティー」。よからぬ(?)想像を掻き立てる一本がヒットしているのをご存じか。今年出色の米製CGアニメで、下ネタ満載。心温まるなんてこととは無縁だが、楽しいことこの上ない。 …
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荒戸源次郎さん死去 筋金入りのアウトサイダーが残したもの
プロデューサー、監督の荒戸源次郎さんが、11月7日、亡くなった。享年70。映画界の筋金入りのアウトサイダーであり、映画界という枠組みなど全く意に介さない。そんな異端の存在感を絶えずまき散らす人だった…
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丹波哲郎や長門勇より好ましく見えた 平幹二朗さんの原点
平幹二朗さんが亡くなった。享年82。マスコミの報道をいろいろ見ていると演劇人としての評価はあるものの、テレビドラマや映画における平さんの記述はそれほど多くない。筆者にとって、平さんといえば、すぐに思…
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映画「淵に立つ」 筒井真理子がにじませる“妻の生活臭”
俳優が、いわゆる“化ける”ときを目撃するのはうれしいものだ。それも、ベテランとなると、なおさらだ。とくに演劇畑出身でいえば、最近では吉田鋼太郎や、あの高畑淳子の名前がすぐに挙がる。 上映中の…
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興収10億円超が7本 ラッパが鳴り響く「松竹」の快進撃
今年の映画界はここに来て、「君の名は。」や「シン・ゴジラ」の話題ばかりだ。結局、毎年のことながら、東宝の配給作品が脚光を浴びているのだが、忘れてはいけない。松竹も頑張っている。 松竹は今年、…
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SMAP超えるアイドルドキュメンタリー「ザ・ビートルズ」
ビートルズは、アイドルグループだった。「そんなの当たり前じゃないか」と言い切れる人は、今や日本では少数派だろう。先だって国民的アイドルグループのSMAPの解散が発表されたが、ビートルズを巡る熱狂ぶり…
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地味すぎる? 「真田十勇士」俳優の格も興行もいまひとつ
大型時代劇の「真田十勇士」の興行が、もうひとつだ。最終で興収10億円に届かないかもしれない。高額な製作費がかかっているので、収支的に厳しい。理由は、いろいろある。 リーダーの資質のない真田幸…
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台場「シネマメディアージュ」閉館の予兆は10年以上前
東京・台場のシネコン「シネマメディアージュ」の閉館が来年2月に決まった。かつては「ゆりかもめ」に乗って、柄にもなくデートがてらよく訪れたものだ。映画を見るだけでなく、海辺の散策や食事、買い物もできて…
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桃井かおりの監督2作目 「火 Hee」に込められた宣戦布告
桃井かおりが、孤軍奮闘している。「無花果の顔」(06年)に続く自身2本目の監督作にして主演の「火 Hee」(公開中)が素晴らしい出来栄えなのだ。そんじょそこらの“女優監督”が真似できるような作品では…
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金持ち男演じた鶴瓶 「後妻業の女」で不気味な存在感
「後妻業の女」が、シニア層を集客して健闘している。舞台が大阪なので、とくに関西が好調のようだ。豊川悦司、大竹しのぶら実力派の手堅い演技もいいが、笑福亭鶴瓶の不気味な存在感が目を引いた。この人の芸は奥深…
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興収60億円も確実視 「シン・ゴジラ」気になる次回作は?
「シン・ゴジラ」が、大変なことになっている。今年の夏興行で洋画アニメ「ファインディング・ドリー」とトップ争いを展開し、すでに興収45億円を超え、最終で60億円突破が確実な情勢だ。 まず、評判が…
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映画「シュート!」ではじけた SMAPメンバー若き日の青春
SMAP解散のニュースはリオ五輪をしのいだ。さすがである。戦後日本のアイドル史のなかで、抜きんでた存在だからだろう。ヒット曲やドラマ、バラエティー番組での功績があちこちで取り上げられていたが、不思議…
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ハリウッド映画に中国人俳優がやたらと起用されるワケ
中国映画界は、ハリウッドに乗っ取られているのではないか――。いきなり日本映画界から離れるが、そんな心配もしたくなるデータが入ってきた。中国映画界はこの上半期、興収約3932億円という凄い成績を挙げた…
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“GO”は大人気なのに…映画「ポケモン」はなぜ不人気?
ポケモンGOの大ブームに、苦虫を噛み潰している人、何とか食らいつこうと頑張っている人、若者以外でも対応はさまざまだろう。何かと問題も山積みだが、映画界ではこの騒ぎは映画の「ポケモン」に何もいい効果を…
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大杉漣も輩出した人材宝庫 この夏は「ピンク映画」が熱い
成人映画として大蔵映画が製作したピンク映画が一般の映画館で見られる。8月20日から9月2日まで、テアトル新宿で上映されるのだが、その数、なんと9本。レイトショー、2本立てという編成である。 …