本城雅人作家
１９６５年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒。スポーツ新聞の記者を経て０９年「ノーバディノウズ」（第１回サムライジャパン野球文学賞）でデビュー。１７年「ミッドナイト・ジャーナル」で第３８回吉川英治文学新人賞を受賞。著書に「紙の城」「監督の問題」など多数。
連載小説「蹉跌」 本城雅人
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連載<3> 駐車場は記者の立ち入り禁止
「これから谷水監督に誕生ケーキを出すんだよ、写真雑感として是非ものだからな」 カメラを翔馬に渡して植田が言った。蝋燭を立てたケーキを、監督やスター選手が息を吹きかけて消すシーン――スポーツ新聞…
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連載<2> 大畑は投手コーチと何を話しているのか
ジェッツの場合、ほとんどの先発投手は、登板翌日はランニングなど軽いメニューで汗を流して終える。だがエースの大畑だけはグラウンドに出てこず、ウエイトルームで時間をかけてたっぷりとトレーニングする。ただ…
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連載<1> 選手の不自然な動きに翔馬は自信を深めた
ベンツ、ジャガー、ポルシェ、レンジローバー……高級外車が並ぶビッグドーム内の関係者用駐車場に出た笠間翔馬は、周りに人がいないことを確認した。 すでに監督、コーチ、選手全員が球場入りし、今はグ…
