「クマムシ博士の「最強生物」学講座」堀川大樹著
<生物たちの特殊能力>
地上最強といわれる「クマムシ」をはじめ、さまざまな極限動物たちの常識破りの生態を解説した科学エッセー。
体長が0.1~1ミリほどのクマムシが最強と呼ばれるのはなぜか。周囲に水がなくなると仮死状態になり、100度の高温から零下273度の低温、ヒトの致死量の1000倍に相当する線量の放射線、アルコールなどの有機溶媒、そして真空までさまざまな種類の状況に耐えられるからだ。著者が専門とするこのクマムシの生態とその研究の内容をはじめ、げっ歯類の中では極端に寿命が長いハダカデバネズミなど、生き物たちが備えた特殊能力の秘密に迫る。
(新潮社 1200円)