「フィリピンパブ嬢の経済学」中島弘象著
「フィリピンパブ嬢の経済学」中島弘象著
大学院でフィリピンパブを研究していた著者は、その調査で出会ったホステスのミカと2015年秋に結婚。その経緯を描いた前著「フィリピンパブ嬢の社会学」の続編。
夫婦は、同じくフィリピンパブ嬢のミカの姉メイさん一家5人が暮らす3LDKのアパートに居候。結婚後も仕事を続けるミカは月収40万円を稼ぐときもあるが、定職についておらず日雇いやアルバイトを続ける著者は、ほとんど収入がないときもある。同居も、大人の男が昼間から家でゴロゴロしていても日本とは違いフィリピン人たちは目くじらを立てたりしない。しかし、そんな生活が1年後のミカの妊娠で一変する。
ミカにとっては異国での出産と子育て、そして国際結婚によって痛感する文化の違いまで、軽妙な筆致でつづる。
(新潮社 902円)