TV界での生き残りかけ…“コメンテーター芸人”が増殖中
今のところ“コメンテーター芸人”として抜きんでているのは土田晃之と小籔千豊か。
司会としては関東圏で放送中の「週刊リテラシー」(東京MXテレビ)の田村淳が“政治芸人”と呼びたいくらい、安倍政権をタブーなしにブッタ斬っている。
しかし、こういう政治バラエティーの仕事が増えることを芸能プロとしては歓迎できない面もある。だれとは言わないが、ワイドショーや政治バラで突っ込んだコメントをしない芸人は、複数のCMに出ている場合が多い。タレントはCMが大きな仕事だ。スポンサーに配慮すれば、政治的な考えや社会批判を主張できない。暴言を吐いてCMを失うのは芸人も芸能プロもリスク大だ。
だから、ズバズバとコメントする芸人はたいていCMで見ない。事務所に迷惑もかけられないから、淳くらいに吹っ切れた芸人はめったに現れないだろう。
選挙や生活不安など問題が山積みの時代に“政治芸人”が増殖するのは結構だが、保身で同席した政治家を持ち上げるヨイショ芸人ばかりになったりして。
(作家・松野大介)