池袋の名画座「新文芸座」で映画で耽溺のススメ リニューアルで大人のワンダーランドに
フレディ・マーキュリーのハイトーンボイスが会場の空気を切り裂き、震わせ、超満員のファンの歓声がこだまする。ことしリニューアルした池袋の名画座「新文芸坐」では、映画「ボヘミアン・ラプソディ」でのライブ映像にスタンディングで体を揺らし、ノリノリで楽しむ中高年らの姿があった。
イベント名は「超没入型ライブ上映」。デビッド・ボウイのライブ映画「ジギー・スターダスト」ではアルコールも解禁され、LED照明のなか、大いに盛り上がったそうだ。4Kレーザー上映による美しい映像、壁一面に設置されたカスタムスピーカーからの音響は素晴らしく、重低音がズンズンと全身に響き、とてつもない一体感がある。
「お客さまからは自宅のテレビなどでは味わえない、まさに映画館ならではの迫力で『自然の4K』との感想もいただいています」と、支配人の高原安未さんは言う。
「ビデオをぶっ飛ばせ!」といった企画でも知られた前身の「文芸坐」が1997年に閉館後、そのスピリットを引き継いで2000年にオープンした「新文芸坐」。トークライブなども行ってきたが、ことし春にリニューアルした館内は座席の座り心地から快適そのもの。芸術の秋、2本立て一般1700円と、新作より格安ということもあって、ときにウトウトしながら、のんびりと映画観賞をしむことができる。繁華街で自転車の止める場所探しに困っていると、劇場前の自転車置き場に止めさせてくれ、女性スタッフから番号札を手渡された。そんなうれしい無料サービスもある。