NY中華街で30人以上感染 蚊よりも恐ろしい「秋の生魚」
■傷口から侵入
魚を介した感染症は他にもある。
「マイコバクテリウム・マリヌム」というバクテリアが原因になる「マイコバクテリウム・マリヌム感染症」もそのひとつ。
今年3月、米ニューヨークの中華街で魚を購入した人を中心に30人以上が感染し、衛生当局が注意を呼びかける騒ぎになった。
マイコバクテリウム・マリヌムに感染すると、手や腕、ひじ、膝などに赤い腫れ物やしこりができ、進行すると神経や筋肉に異常が起こって痛みが出たり、指が動きにくくなる。
重症化することはほとんどないが、抗生物質が効かないケースもあり、治療が遅れると手術が必要になる場合もあるという。
「菌に汚染された魚介類を食べることによる感染はないとされていて、手や腕に傷がある人が生の魚介類に触った時、傷口から侵入して感染します。なるべく魚介類に触らないようにして、触ったらすぐにしっかり手を洗うことが大切です」(藤田氏)
他にも、サバ、サンマ、イワシ、アジ、サケ、イカなどに多く寄生している寄生虫の「アニサキス」による「アニサキス症」も増えていて、年間2000~3000件も発生しているという。激しい腹痛や嘔吐を起こし、腸粘膜を突き破られて腹水がたまり、腸を切除するケースもある。
やはり、魚介類の生食はなるべく避けたほうがいい。