耳の遠い老人の“聞こえ方”が分かる「ジェロトーク」って何?
「加齢性の難聴は、耳せんをつけている状況とは違います。すべての音が小さく聞こえるのではなく、高い周波数の音域が聞こえづらくなったり、言葉の違いが聞き分けられなくなるのです。それを理解した上で、コールセンターの高齢者向け電話対応をしたところ、リピート率が顕著に高まる傾向がありました」
コールセンターでは、数をこなすためについつい早口になりがち。しかし、ゆっくり話した方が老人の理解が早まり、1件当たりの処理時間は逆に短縮したという。
企業が使って効果が出ているのなら、介護や医療の現場、田舎の老親との会話に役立たないわけがない。
■ゆっくり、はっきり、大声はダメ
ポイントは3つだ。まずは、〈ゆっくり話す〉こと。単に聞き取りやすいだけでなく、丁寧な印象になる。
「“極端”に遅いくらいを心がけましょう。NHKのラジオ深夜便が参考になります」(坂本氏)
甲子園の熱闘が続いているが、打順を告げるウグイス嬢も同じくらいのスピード。かなりゆっくりめだ。