手術で“あり得ない位置”に…「乳房再建」にトラブル急増中
写真を見てほしい。ある患者は、エキスパンダーの時点で形が不自然すぎると思った(左上)。担当医から「シリコーンで再建する時に調整する」と言われ、岩平院長のもとへ駆け込んできた。
「再建時に調整はできないことが多い。乳房再建手術は、どのエキスパンダーをどこに入れるかが最重要。すぐにエキスパンダーを入れ替えました」
エキスパンダーは42種類あるのに、医師から「大中小、どれにする?」と聞かれた患者もいる。「あるだけのエキスパンダーを持ってきて適切なのを選んで」と医師に呼び出されたメーカー社員もいるという。
「教授などの肩書がある有名医師であっても、乳房再建手術のプロとは限りません」
患者はどう対策を講じればいいのか? 岩平院長が挙げるのは、(1)乳房再建を本当に望むのか自問(2)再建したい理由を明確にする(3)それを医師に話した時、真剣に耳を傾けてくれるか(4)医師の経験数を確認し、その医師が実施した乳房再建の写真も見せてもらう。この4点が重要だという。そして、何かおかしいと思ったら、すぐにセカンドオピニオンを求める。
トラブル回避は、患者が動かなければできない。大切な人の「もしも」の時のために、頭に入れておくべきだ。