あなたの胃の慢性不調は「グルテン過敏症」かもしれない
すると、2週間もしないうちに、これまで17時を過ぎると仕事にならないほど疲労感で集中力が低下していたのが、22時すぎまで絶好調で働けるようになった。Aさんは心療内科でうつ病、パニック障害と診断され、薬も処方されていた。しかし、その薬を飲まなくても、うつ状態やパニック症状が出なくなったという。
「グルテンフリーを実施するまで、彼は会社帰りに菓子パンなどを買うのが習慣でした。それらをやめたので、体重も激減しました」
グルテン過敏症を判断するには、保険適用外の血液検査がある。しかしそれよりも簡単なのは、試しにグルテンフリーを2週間持続してみることだ。不調が改善されれば、グルテン過敏症の可能性あり。
「グルテン過敏症なら、本人の体調を見ながらグルテンの摂取を調整する。グルテンは、摂取しなくても健康に害のないタンパク質ですから、完全フリーでも大丈夫です」
基本は、小麦、大麦、ライ麦を使った食品を減らせばいい。
グルテン過敏症の人は、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品に含まれるカゼイン過敏症でもある。分子構造が似ているからだ。カゼインの摂取も避けたほうがいい。
なお、グルテン過敏症は、摂取後すぐに激烈な症状が出ることもある小麦アレルギーとは発症のメカニズムが違う。また、血糖値の急激な上昇を避けるために行われる糖質制限とも違うので混同してはいけない。