【天野篤 特別寄稿】美智子さまのお言葉には人生100年時代を生きる高齢者が目指すべき方向が示されている
そのかいあって、無事に再審をパスできましたし、病院の収益も含めて実績を残すこともできました。院長に抜擢してもらった恩返しは十分に果たせたという手応えは感じています。院長という立場から解放され、これからは自分がやりたいことに邁進できる。いまはそんなスッキリした気持ちです。
ご公務で日本だけでなく世界を飛び回られていた陛下も、われわれには及びもつかないほどのご負担があったはずです。85歳と高齢なこともあり、これで少しはゆっくりしていただけるのではないかと安堵しています。皇后として陛下を支え続けてこられた美智子さまも同様です。
昨年、美智子さまが84歳の誕生日を迎えられた際、公務を離れたら何をされたいかについて、「いつか読みたいと思って求めたまま手つかずになっていた本を、1冊ずつ時間をかけ読めるのではないかと楽しみにしています」と話されていました。以前は、「お供も警護もなしに一日を過ごせたら何をなさりたいですか」という質問に対し、こうお答えになっていました。
「学生のころ、よく通った神田や神保町の古本屋さんに行き、もう一度長い時間をかけて本の立ち読みをしてみたいと思います」