コロナ後遺症の強い疲労感は「首」に原因あり 専門家が指摘
頚性神経筋症候群は、松井医師が1978年にムチウチの研究をしている時に発見したものだ。首の筋肉の異常が副交感神経の働きを阻害して、体のあらゆる部位のコントロールができなくなる。ME/CFSは強い疲労感のほか、頭痛、目まい、認知機能障害、睡眠障害、関節痛、筋肉痛、まぶしさ、体温調節障害など多彩な症状が報告されているが、頚性神経筋症候群もME/CFSとほぼ重なるさまざまな症状が出る。
■低周波電気刺激療法と遠赤外線照射を1日2~3回
松井病院・東京脳神経センターの研究グループは、2006年5月~17年6月に、ME/CFSと診断され、松井病院または東京脳神経センターを受診した患者のうち、外来では治らず入院となった1226例を対象に、頚部に対する低周波電気刺激療法と遠赤外線照射を1日2~3回行った(男性448例、女性778例、平均年齢46・4歳、平均入院数62・5日)。
退院時に、改善群と非改善群で比較すると、改善群では頭痛、頚部の凝り、目まい、動悸、まぶしさ、吐き気、不明熱、うつ状態の改善率が有意に高かった。この中で「まぶしさ」に着目し、入院時と退院時の瞳孔の直径を比較したところ、退院時に瞳孔の直径が有意に小さくなっていた。