東海大四・大脇監督が明かす 西嶋「超スローボール」の原点
「NTT東日本には全国からいろんな人が集まってきます。僕なんかは常にハラカンが目を光らせているガチガチの環境の中でプレーしていましたから、私生活からきちんとしないといけないと肩肘張っていた。でも、『ミスター社会人』といわれたキーナン・ティミィさん(公式戦通算135本塁打)や、エースだった小柳津博史さんはオンとオフがはっきりしていて、力の抜き方がうまかった。普段は5割、7割の力で練習しているんですけど、試合になるとスイッチが入る。また、帝京高、東洋大出身の外野手・池場一弘さんは、熱い人でバリバリの体育会系。右翼の守備位置から『ここが勝負だ! 根性だ!』なんて凄い声を出していた。東海時代では考えられないことだった。いろんな野球を経てきた人たちと出会って、東海の野球とは違った野球を知りました」
――エースの西嶋投手(3年)が九州国際大との試合で、超スローボールを投げて話題になりました。
「ハラカンだったら許していたかなとは思いますね(苦笑い)。僕も『ほどほどにしとけよ』と思うところもあるんですが……(苦笑い)。ただ、僕が高校、大学でプレーしていた時代とは違って、今の子供たちは締め付けるだけじゃなくて、時には泳がせてやることも必要なのかなと思います。僕は07年に(部員への鉄拳制裁で)6カ月間、謹慎していたこともあります。厳しくやらなきゃいけない、厳しくやるもんだと思っていました。でも、今の考えは以前とは変わってきましたね」