YS横浜の有馬監督が語る 選手とスタッフのハングリー精神
「ボクのジュニアユース時代には、駐車場のコンクリートの上で練習をすることもありました。今は、練習場があるだけでも恵まれています。ただし縦も幅も狭いのでプレスをかける練習では(選手間の距離が近くて)すぐにプレスがかかってしまいます(笑い)。だから、いろいろと工夫して練習をやっています」
J3は、北は秋田(ブラウブリッツ秋田)、南は沖縄(FC琉球)と移動費だけでも負担が大きい。スタッフも涙ぐましい努力を続けている。
「沖縄に行くのには当然LCC(格安航空会社)を使います。(カターレ)富山辺りまでならマイクロバスで遠征します。運転手は、クラブの吉野次郎理事長です。ユニホームなど荷物を積んだ車は、スタッフが運転します。選手を補強する強化費もなく、まだ地域リーグのチームの方が金銭的に恵まれ、練習環境も良い場合もあります。しかし、そういう部分を言い訳にしてはいけません」
れっきとしたプロリーグのJ3で戦っているとはいえ、彼らは限りなくアマチュアである。
「しかし、お金を払って試合を見に来ていただいているお客さまがいらっしゃる以上、たとえ年俸0円選手であっても“プロとしてプレー”しなければなりません。J3とはいえ、何か悪いことをしでかすと『Jリーガーの誰それが――』とメディアで大きく報道されてしまう。常に“Jリーガーである自覚”を持つように、と何度も何度も繰り返して言いました」