最終18番で痛恨ダボ アンを追い詰めた川奈“魔のグリーン”
最終ホールはパーで優勝、2パットボギーでもプレーオフで勝利のチャンスが残っている。そこでアンは痛恨のダブルボギーだったのだ。
「川奈のコーライグリーンだから起きたドラマであり、これがベントグリーンならアンの3パットは考えられない」
こう解説するのはパット名手として知られる田原紘プロだ。
「プレーオフを頭に入れて18番をボギーでも良しとするなら奥バンカーに入れたり、ピンと反対のグリーン左サイドに乗せておけば簡単です。でも1組前の大山がバーディーを決めたのを見たから、パーでないとダメ、プレーオフはやりたくないと思ったんだろう。アンの持ち球はフック系ですから、ロフトの大きな番手で上げてピン手前の狭いエリアに止めるという作戦に出た。それが距離が足らずにアリソンバンカーにつかまり、寄せて1パットならまだ勝てるのに、パーパットを決められなかった。2つの計算違いからパターのうまいアンですら“ボギーパットを外したら勝てない”と不安がよぎる。コーライグリーンで不安になって柔らかい打ち方になると芝目に負けちゃう。それが3パットの理由です。大山が18番であきらめずに、勝負に出てバーディーを奪ったことが結果としてアンを追い詰めたといえます」
タナボタで大山は今大会10年ぶり2度目の勝利を挙げ、ツアー通算17勝目。「リオ五輪に出たい」という大山の執念が勝利を引き寄せたわけだ。