<3>昨季王者ドジャーズは“火がつく前”に交代…PSに見る「先発の役割」の変化
短期決戦のポストシーズンは、強力な先発陣を擁するチームが絶対的に優位だと言われる。しかし、今年の投手起用を見ると、必ずしもそうではない。先発投手の役割が変わってきているのがわかる。
例えばドジャース。現地10月21日終了時点で先発投手の平均投球イニングは、わずかに4イニング。そのうち3試合はオープナーで、先発投手は1イニングしか投げていないので、それらの試合を差し引いても先発の投げた平均イニングは5回にとどまっている。レッドソックスはおよそ4イニング、アストロズは先発が降板する以前に取ったアウトが平均11という状況だ。
それでもアストロズはワールドシリーズに勝ち上がったのだから、やはり先発の役割は変化していると言えるだろう。
■投手陣のケガ
最大の理由は投手陣のケガである。しかし2018年シーズンにレイズが始めたオープナーやブルペンデーといった投手の起用法が各チームに浸透してきた中で、先発に早めに見切りをつけ、傷口が広がらないうちに細かい継投で試合をつくってゆくという戦術が見られるようになったのは自然なことなのかもしれない。