<3>昨季王者ドジャーズは“火がつく前”に交代…PSに見る「先発の役割」の変化
このような投手起用の傾向について、アストロズのジェームズ・クリックGMに話を聞いた。同GMはレイズ出身で、20年1月にアストロズGMに就任。当然レイズ時代にはブルペンデーなどの戦術の採用に大きく関わっている人物である。
「もともとこのような起用は必要に迫られて行ったものです。当時の投手陣にケガ人が多く、先発ローテーションをしっかり回せなかったのが一番の理由です。ただし相手打者との相性や複数回の対戦を避けるためにはとても効果的な起用法だと思います。今年見られる各チームによる投手陣の継投にブルペンデーの考え方が影響しているかどうか、それは何とも言えませんが、全くないとは言えないかもしれませんね」
昨シーズンのワールドシリーズを制したドジャースは、原則として投手に21人以上の打者と対戦させない。ほとんどの投手は打者21~24人目の対戦までに大きな疲労を迎えるというデータがあるからだ。2死走者なしの場面だろうと、スパッと代える。リリーフに“火消し”を託すのではなしに“火がつく前”の交代である。
今シーズンのポストシーズンにおける先発の早め早めの交代は、このような考えが浸透した結果に違いない。 =つづく
(米紙コラムニスト=ビリー・デービス)