<4>WSで対戦「アストロズvsブレーブス」因縁と数字上のせめぎ合い
今年のワールドシリーズはアストロズ対ブレーブスの対戦となった。
アストロズのダスティー・ベイカー監督は選手としてブレーブスでデビューした。北カリフォルニア出身の黒人で、ドラフト当時、まだ人種的差別の風潮の残る南部都市アトランタの地でのプレーに抵抗を感じたという。しかし、その時すでにブレーブスのスター選手であり、後にベーブ・ルースのホームラン記録を塗り替えることになるハンク・アーロン選手の働きかけにより入団。以後アーロン選手はベイカー選手をフィールドの内外においてサポートしたという。
一方、メジャー経験のないブライアン・スニッカー選手の指導者としての手腕を評価、ブレーブスのマイナーのコーチとして起用、その後、2016年途中から監督になるきっかけをつくったのも、やはりアーロン氏だったという。
72歳で2度目のワールドシリーズ出場のベイカー監督に、66歳で初の出場となったスニッカー監督。折しもアーロン氏が亡くなった年に実現したワールドシリーズでの対決は、このような人間味を感じさせるストーリーをまとっている。