【安倍昌彦氏特選 “開幕即戦力”新人】荒西祐大(オリ3位)
■扇形に広がる多様な球筋
オリックス3位の荒西祐大(ホンダ熊本)は、全指名選手で最年長タイの26歳。サイドハンドの変則右腕だ。
安倍氏は、この荒西を玉名工(熊本)時代から見ている。
「高校時から横手投げで、強豪校に勝った試合を偶然見ました。当時は粗削りで、社会人になってから毎年ドラフト候補に挙げられながら、決め手に欠けていた。今は、サイドからややスリークオーター気味のフォームで、昨年、自己最速の149キロをマーク。昨夏、社会人日本代表メンバーとして活躍したことが3位指名につながったのでしょう。今が旬の投手です」
投球はどうか。
「力投型ながら、何より制球力がある。マウンドから見て『扇形』の球筋を持っている。内角はより内に食い込み、外角はより外に投げ込める。特に打者の左右にかかわらず内角を出し入れできる投手はプロでも多いわけではない。さらに、ストレート、スライダー、チェンジアップという全球種が打者の手元でナチュラルに変化する。スライダーは小さく速く曲がるものと、曲がり幅が大きなものを使い分けているように見える。球種は多くはないものの、球筋のバリエーションの豊富さで十分にカバーできるでしょう」