楽天・美馬あと3人で…中大恩師と「師弟で完全試合」逃す
楽天の美馬学(32)が大記録を逃した。
先発した19日のソフトバンク戦で八回までパーフェクト投球。1994年の巨人・槙原以来となる25年ぶりの完全試合を期待するファンの大歓声を背に向かった九回のマウンドでしかし、いきなり記録は霧散した。
先頭の明石を四球で歩かせると、続く栗原の詰まった打球が左前に落ちてノーヒットノーランも消滅。併殺で2死としたものの、上林に右越え三塁打を打たれて、完封まで逃してしまった。
「惜しかったです。九回はちょっとプレッシャーだった」
とは、今季6勝目を手にしながら、苦笑いが止まらなかった美馬。
「もったいないね。パーフェクトを四球で終わらせるってのは、いただけないな。ど真ん中に投げて打たれた方がまだ納得できますよ」
こちらも悔しそうにそう語るのは中大の元監督で美馬の恩師、評論家の高橋善正氏だ。高橋氏は東映時代の1971年に西鉄戦で完全試合を達成している。おそらく過去に例のない師弟での快挙は消えたが、「球のキレ、メンタルの強さは2学年下でエースだった沢村(巨人)以上だった。美馬が4年時、東都の2部優勝を決めた春のリーグ戦では抑えをやってもらった。東農大との最終戦の九回、突然、マウンドに呼ばれ、『右ヒジが折れました』と言われたときは驚いた。ホメられたことじゃないが、向こう気が強く、勝負根性があった。記録は次の機会に期待していますよ」と高橋氏。
強打のソフトバンクを相手に見事な投球ではあった。