プロ1号にサヨナラ打 日ハム野村佑希は“運と粘り”が持ち味
日本ハムの2年目、野村佑希(20)が2日のソフトバンク戦でサヨナラ打を放った。
1点ビハインドの九回裏2死二、三塁。マウンドにはソフトバンクの守護神・森というシビれる場面。1点もやれない外野陣は前進守備を敷いたが、しかし、野村のひと振りはそんな彼らをあざ笑うかのように、中堅の頭上を越え、フェンスを直撃。試合をひっくり返す中越えの2点二塁打だ。
野村はこの日、二回にプロ1号ソロを放つなど、5打数3安打3打点。これだけ打っても、打率は・216。試合前は・156だった。
ある日ハムOBは「運と粘り強さを持っている」と、こう話す。
「実は野村は当初の予定では、今年一年間は二軍でじっくり鍛える予定だった。それが正三塁手のビヤヌエバが5月に虫垂炎の手術をしたことで急きょ、昇格が決まった。それでも開幕3試合は10打数無安打。次の2試合はベンチを温めた。しかし、ここで打てなきゃ二軍落ちという6月25日の楽天戦でスタメン復帰すると、4打数3安打3打点と気を吐いた。
これで何とかクビはつながったものの、その後、5試合は18打数2安打。またもや二軍落ちの危機……というこの日にまた結果を出した。ギリギリの場面で粘れるずぶとさこそ、野村の持ち味でしょう。手術明けのビヤヌエバは同じく2日の二軍戦で実戦復帰したが、こうなると首脳陣もそう簡単に野村を外せなくなる」
そもそもビヤヌエバは打撃はともかく、三塁守備は合格点の評価。日ハムとしては「当面はビヤヌエバでしのいで、若手の成長を待つ」プランだった。それが前倒しとなれば、助っ人にこだわる必要もなくなる。
三塁の座を守れるかは野村の粘り次第だ。