ロッテ主力級8人が陽性 コロナ大量感染でも“逆転V”の根拠
■見えない復帰時期
15年ぶりのリーグ優勝を目指すロッテに暗雲が垂れ込めた。
4日に新型コロナウイルスの陽性反応が出た先発ローテーション投手の岩下(24)に続き、5日には荻野(34)、清田(34)、角中(33)、藤岡(27)ら一軍の主力野手7人を含むコーチ、スタッフら計11人の感染が発覚。さらに、リリーフ投手の東妻(24)、山本(24)、小野(23)の3人に加え、成長株の外野手・和田(21)が岩下の濃厚接触者と判定され、離脱を余儀なくされた。
ロッテは現在、首位ソフトバンクと1ゲーム差の2位。今月は直接対決6試合を残している。ここで、昨季から通算27勝12敗(1分け)と圧倒するカモのソフトバンクを一気に叩き、2005年以来となるリーグVへ一直線――と、いよいよ機運が高まっていた矢先の大量感染である。
「NPBの感染予防ガイドラインによれば、陽性者は陰性判定が出るまで無期限の隔離、濃厚接触者も最終接触から2週間の隔離が必要です。もちろん、この間は練習もできないわけだから、隔離期間が終わっても、すぐに一軍復帰というわけにはいかない。9日からのソフトバンク戦は当然のこと、今月末の27日からの直接対決にも間に合うかどうかでしょう。スポーツ紙が『ピンチ』『窮地』と書き立てるのも当然です」(球界関係者)
■「出血は最低限」
だが、痛手は痛手でも「出血は最低限」との見方もある。ロッテOBで通算2081安打の山崎裕之氏(評論家)は「ダメージはありますが、重傷というほどでもない」とこう続ける。
「荻野や清田は、ともに今季は40試合も出ておらず、同71試合の角中にしても代打やDH起用などが増えてきた。つまり、彼らが出場していない試合でも、きちんと勝ってきたのが今季のロッテです。スタメンで出場し続けている選手は、安田(21)、井上(31)、中村(28)、藤岡くらい。井口監督はベテランと若手を積極的に競わせることでチームの活性化を図っています。だからこそ、3割打者不在、チーム打率、本塁打、得点はリーグ5位(7日現在)でもこの順位につけている。少ないチャンスをなんとか得点につなげ、それを守り切る井口監督のベンチワークが冴えている。必要以上に悲観する必要はない」