3球団V経験の元投手・石毛博史さんは富山で“金の卵”を探す
石毛博史さん(元プロ野球投手・50歳)
巨人、近鉄、阪神で抑えの切り札として活躍。在籍3球団で優勝を経験した元セーブ王ながら、時には突然調子を乱してファンを冷や冷やさせたため“石毛劇場”と言われることもあった。本日登場の石毛博史さんだ。引退は2005年。あれから15年経つが、今どうしているのか?
富山県のほぼ中央、JR富山駅から南西へ車で約30分の富山市婦中町。なだらかな丘陵に囲まれた旧音川中学に行くと、石毛さんの姿があった。グラウンドでは少年野球チーム「バンディッツヤング」が練習の真っ最中だった。
「僕はこのチームが野球塾だった頃から指導者として関わってきまして、今もアドバイザーなんです。他には北陸3県と新潟を加えた4県の中学生を対象とした巨人軍OBスカウトもやってます」
巨人がスカウト活動強化のため今年組織したもので、北海道から熊本までの都道府県に在住する20人の巨人OBと契約。
「これまでスカウトの対象は高校生以上でした。でも高校の進学先によっては、せっかくの金の卵がプロへのチャンスを逃したケースも少なくなかった。そこで、これはという選手の発掘とともに、成長の過程を見ながら高校からのスカウト活動につなげていこうという趣旨です。でも決して囲い込みではありません。球界全体の底上げに貢献できると思いますよ」
阪神のマウンドを最後にNPBを引退し、関西や四国の独立リーグチームでコーチや監督をしてきたが、なぜ富山に?
「10年くらい前、『バンディッツヤング』を運営するフールケア大地(富山市)の会長から指導依頼がありましてね。それをきっかけに当時住んでいた大阪から定期的に通うようになったんです。で、15年に正式に『バンディッツヤング』がスタート。18年春に社会人チーム『バンディッツ・ベースボールクラブ』を立ち上げ、10月に2代目監督に就任したため富山に引っ越しました」
「ヤング」OBには名門高校に進学し、甲子園出場の夢をかなえた選手が多数。中には大学野球で活躍中の選手もいる。
「例えば青山学院大3年の森圭名。153キロの剛速球がウリで、もうひと伸びすれば来年のドラフト候補になるんじゃないかな」