ソフトB井上朋也&日ハム根本悠楓 キャンプで飛び出したパ「高卒2年目」掛け値なしの評価
井上朋也(ソフトバンク 19歳・内野手)
キャンプ「打のMVP」に選ばれ、藤本新監督から「いいものを見せてくれた」と手放しで褒められた。
昨季のセ・パ優勝チームでは「高卒2年目」が大活躍した。パ・リーグではオリックスの宮城大弥は13勝をマークして新人王を獲得した。今季もキャンプでイキのいい高卒2年目選手が出てきた。開幕一軍入りはもちろん、活躍も期待できそうなパの2人をリストアップした。
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花咲徳栄から20年ドラフト1位で入団。2月26日のオリックス戦で2二塁打を放つなど、実戦8試合で20打数9安打、打率.450をマークした。「(本職の三塁には)松田さんやリチャードさんもいる。びっくりするくらい打たないと開幕に残れない」と話すように、先輩に気後れすることなく定位置取りに意欲を燃やす。ソフトバンクOBは「井上の特長は思い切りの良さ」とこう続ける。
■世界の王も舌巻く傾聴力と質問攻め
「自分が今現在やってることに迷いがないから、思い切りのいいスイングができている。井上はこれに尽きます。かといって、何も考えていないわけではない。練習中、疑問に思ったり壁に直面したりすると、すぐにコーチをつかまえてガンガン質問をぶつける。自分が納得いくまで質問攻めにするので、疑問をそのままにすることはないし、『わからないけど、とりあえずうなずいておこう』と聞き流すこともない。今季から特別チームアドバイザーを兼任する王球団会長から助言を受けた時も、しっかりと説明を聞いた上で、質問をぶつけていました」
かといってアタマが固かったり、理屈っぽいわけではない。
「普段は明るく、社交的な性格。ライバルのリチャードはやや悩みがちなところがあるけど、井上はその心配がなさそう。まだ19歳だし、何をするにも必死という時期。守備練習も熱心です。リチャードはある意味、本塁打の量産のみ期待されていますが、井上は守備や走塁も磨かないと生き残れない。本人もそれをわかってるからガムシャラなんです」(前出のOB)
オープン戦の松田、リチャードを含めた結果次第では開幕一軍入りはもちろん、一軍戦力としても期待できそうだ。
根本悠楓(日本ハム 18歳・投手)
苫小牧中央からドラフト5位で入団した昨季は二軍で12試合に登板し1勝1敗、防御率1.82。2月11日の練習試合(阪神戦)では2回を投げ無安打無失点、3奪三振と好投。同19日のロッテ戦では先発に抜擢され、3回無失点、4奪三振と日に日に存在感が増しており、開幕ローテ入りが現実味を帯びてきた。
「昨季から一軍で使おうと思えば使えると評価されていたが、焦らず、じっくりやろうと体づくりに重点を置いた。特に素晴らしいのが直球のキレ。球にしっかり指が掛かっているから打者の手元でピュッと伸びてくる。球速表示より速く感じるんです。力感のないフォームの割に腕の振りが速いので、打者はタイミングを掴みづらい」(球団OB)
■甲子園優勝したドラ1のようなふてぶてしさ
根本のもうひとつの武器はメンタルだという。
「堂々としたマウンドさばきはまるで甲子園で優勝したドラ1選手のような雰囲気。ふてぶてしいと言っても過言ではありません。打者を追い込んでもカーブでストライクを取りにいったり強気な姿勢が目立ちます。若手でドラフト下位でも萎縮することはないし、他の選手と群れず、淡々と自分を磨くことに集中している印象です」(前出のOB)
コーチやOBの間では投球や体形が「オリックスの宮城と重なる(根本=173センチ、宮城=171センチ)」との声も。本人も宮城を参考にチェンジアップを習得したり、緩いカーブの生かし方などを工夫したりしている。ブレークに向けてオープン戦でもアピールを続けそうだ。