日本ハム新庄監督“電撃辞任”に3本の導火線「続投わからない」はリップサービスにあらず?
日本ハムの新庄剛志監督(50)の去就について、周辺がかまびすしい。
発端は4日の楽天戦後に放ったこの発言だ。
「球団から『来年(続投を)お願いします』と言われても、残り試合で(チームが)成長できないと思ったら、わからない。オレという人間はオレにもわからんから」
新庄監督は球団から打診された10年契約を「複数年契約をすると甘えが出てくるんで、いいことはひとつもない」と断り、単年契約を結んでいる。
しかし、その一方で今季を「1年間のトライアウト」に定め、ハナから来季の新球場元年に照準を合わせてきた。「目先の1勝より今後の成長」と、シーズンを通して戦力の底上げに注力。後半戦以降は「来季は優勝しか考えていない。2位は考えていない。2位も6位も一緒なので」と翌年の意気込みを語り、フロントには「(ドラフトで)即戦力を取りたいですね。ピッチャーも野手もすべて」「(オフの補強は球団に)トライしてほしいとは言いたい」と要望していた。
続投が既定路線とみられていただけに、冒頭のコメントは報道陣へ向けたリップサービス──そう受け取った向きは少なくないだろう。そこに、「実際問題として、電撃辞任もありうる」とは、地元北海道のマスコミ関係者だ。
①補強の不安とチルドレンの問題
「日本ハムはフロント主導の球団ですが、新庄監督がどれだけそれを理解しているのか疑問です。これまで度々繰り返しているフロントへの要望などからも、球団としっかり話を煮詰めてから監督業のオファーを受けたようには思えません。それだけに、ドラフトやオフの補強の結果次第では『思っていたのと違う!』とソッポを向きかねない。ちなみに、新庄監督が即戦力を要望するドラフトですが、日本ハムは『ドラフトと育成』を掲げている。今のところ、球団がその方針を曲げる様子はなさそうです」
新庄監督が補強を繰り返し訴えるのは現有戦力に限界を感じているからだろう。優勝を放棄して育成にかじを切ったものの、ブレークした野手は打率首位(.347)をマークする松本剛(29)くらい。シーズンを通して使い続けている5年目の清宮幸太郎(23)は自己ベストを更新する17本塁打も、打率.215。万波中正(22)や今川優馬(25)にしても、それぞれ打率.203、同.231と振るわず、就任当初から目をかけてきた“チルドレン”にはまだまだ物足りなさが残る。
12日は「これだけチャンスを与えて(打率).220以下の選手は、掴めなかったとしか判断できない。(結果が出ないのは選手の)自分のせい。それはどうしようもない」と厳しい言葉を投げかけていることからも、少なからず新庄監督に鬱憤がたまっているのは明らかだ。