W-TK株式会社社長 山本徹矢(4)ダイヤモンド・プリンセス号がビッグビジネスにつながった
W-TK株式会社社長 山本徹矢(32歳・ロッテ)
山本氏はNHKの関連会社を退職してしばらくの間、外国人専門の人材派遣の仕事に携わった。
「知人にバングラデシュ人の経営者がいて、日本で外国人の留学先や就職先を斡旋していた。その人に頼んで『日本支社長』にしてもらいました(笑)。あくまでそれは肩書で、フリーランスの営業代行と同じようなものです」
外国人の雇用実績のある企業を調べ上げ、ひたすら「今、人材は足りていますか」と電話営業をかけた。しかし、いざ企業と外国人の面接の場を設けても、日本語の技能の問題で不採用になるケースが多かった。それでは満足な収入が得られない。食べていけるだけの稼ぎを得るため、家電量販店の販売員や引っ越し作業員、電子マネー普及の営業など、さまざまな仕事を掛け持ちする日々だった。
そんな中、日本はコロナ禍に見舞われた。これが大きな転機となった。
■西麻布で知り合った会社社長との僥倖
「ダイヤモンド・プリンセス号を覚えていますか?」と、山本氏。コロナが“未知のウイルス”だった2020年2月、感染者を乗せた豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に停泊。日本中が恐怖におののいたが、NHKの関連会社時代、人脈を広げるために毎晩のように通い詰めた西麻布のバーで知り合った会社社長との出会いが仕事につながったのだ。