橋上秀樹(1)2013年大会の舞台裏「オランダのデータ集めではバレンティンに頭を下げました」
橋上秀樹(2013年大会戦略コーチ/現BC独立リーグ新潟アルビレックス監督)
「全てが手探り状態のまま始まり、あっという間に終わってしまった感じでした」
2013年大会で戦略コーチを務め、現在はBCリーグ新潟を率いる橋上秀樹氏(57)が当時を振り返った。
12年に巨人で同じ役職に携わり、打線を強化した手腕を評価され、山本浩二監督率いる日本代表のスコアラーに招聘された。与えられた任務はいうまでもなく、キューバ、台湾など第2ラウンド(東京)のライバル各国の戦力分析だ。
「就任当初、NPBからは各国での視察を認められていましたが、当時は今ほど各国代表の候補選手の資料や情報が揃っているわけではありませんでした。事前にマークしていた選手の情報が別の選手のものだったり、右投げ、左投げといった基本データが間違っていたりした。各国での視察は(NPBが契約する)野球データ会社に任せて、現地から送られてくる映像と資料を基に分析するしかありませんでした」
■ライバル国の情報収集は使えるツテを駆使
主に投手の分析に力を入れ、球威や持ち球はもちろん、牽制のタイムを計るなど目を皿のようにして情報をかき集めた。それでも、オランダ、ブラジルの選手の情報は乏しく、日本国内でのツテを頼った。