オリックスを巣くう「吉田移籍後遺症」深刻な得点力不足、FA森だけでは到底埋まらない
今季からレッドソックスに移籍した吉田正尚(29)が苦しんでいる。日本時間11日のレイズ戦でのヒットを最後に、もっか20打席連続無安打(19日現在)の泥沼だ。
そんな吉田が昨季まで所属していたオリックスもまた得点力不足にあえいでいる。チーム打率.254はリーグトップだが、47得点は同4位。ヒットは出れど点に結びつかず、結果的に効率の悪さが目立っている。
昨季まで打線の中軸を担っていた吉田は、NPB通算7年で打率.327、133本塁打、467打点。出塁率も.421と高く、チャンスをものにするだけでなく、チャンスメークにも一役買っていた。三振も通算300個と少なく、チャンスを潰さないことにも定評があった。
ライバル球団のスコアラーが言う。
「吉田のように勝負強く、三振もしない打者が打線に与える影響は大きいですからね。打線が不調でも、吉田に回せば何かが起きるという期待感、敵からすれば恐怖感があった。数字の面だけでなく、打線の精神的支柱として目に見えない効果もありましたから。今季は西武から『打てる捕手』の森がFA移籍。確かに森もいい選手だが、純粋に打者として比べたら吉田には及ばない。結果として吉田に集中していたマークが分散され、各打者は『こんなはずでは……』と苦しんでいるのではないか」