ヤクルト1位・西舘昂汰 東大生とプロ野球選手を育てた母の夢は「アメリカに行きたい」
西舘昂汰(ヤクルト・投手・専修大学・22歳)
「背が大きくなってほしいと、中学生の時も夜9時半には早く寝なさいと。夜更かししたい年頃なので本人は嫌がっていましたが『早く寝ないと添い寝しちゃうぞ』と冗談を言って無理やり寝かせました(笑)」
こう話すのは、母の祐三子さん(55)だ。身長188センチの大型右腕は4人きょうだいの末っ子として、スポーツ一家で生まれ育った。東大卒の8歳上の長男は野球とソフトボール、6歳上の次男はラグビーとアメフト、3歳上の姉はバスケットボールと陸上にそれぞれ打ち込んだ。祐三子さんも学生時代にスポーツ経験こそないが、趣味でスイミングやサッカーをするなど大の運動好きだ。そんな家庭で育った西舘は小学校低学年はラグビーをやっていた。小学4年になって長男の影響でソフトボールの吉木オリオールズに入団。全国大会にも出場した。同チームの迫雄介監督(45)が言う。
「主に捕手をやり、座ったまま約23メートル先の二塁に矢のような送球を投げ、盗塁を刺すほど肩が強かったですね。アタマも良くて、しっかりと配球も考えていた。チェンジアップを見せておいてズバッと内角を突いたり、ボールを1個分、2個分外すという細かいサインも駆使するほどでした」