「もっと強いチームでやりたかった…」近藤昭仁監督はこう言い残してロッテを退団した
【前回】1998年のロッテは「史上最強の最下位」18連敗のワースト記録も投打の成績はトップクラス からつづく。
◇ ◇ ◇
今でもプロ野球記録となる魔の18連敗を喫したロッテの近藤昭仁監督は、1998年10月8日、任期を1年残して辞任を発表した。
「もっと強いチームの監督をやりたかった」
その後の会見でこう言い残し、あんなに負け続けても温かく応援し続けてくれたロッテファンから猛烈な批判を浴びたのは言うまでもない。私もこの時は頭にきた。後になって「97年の就任時点で前年12勝の伊良部秀輝、エリック・ヒルマン(同14勝)がそろって移籍して層が薄くなっていた再建期のチームで、勝利を目指すことは難しかった。それでも2年連続最下位になってしまった以上、『来年も続けるとは言えなかった』という意味での発言だった」という弁明記事を目にした。
辞任発表の日、近藤監督が93年から95年まで率いていた横浜が、38年ぶりのリーグ優勝を決めたのも皮肉だった。育成にたけた監督で少し後に成果が出る。ロッテも2005年に日本一になった。契約通り、あと1年やりたかったのだろう。