「原発とどう向き合うか」澤田哲生編
原発問題は「3・11」以降、感情論と化したといわれる。科学的根拠なしの予断が恐怖交じりに拡散され、少しでも楽観論を口にすると「御用学者」呼ばわりされる――と抗弁するのが本書の編者。
多数の原子力関連の科学者に声をかけ、座談会形式で震災当時の民主党政権、メディア、原発ムラのほか小泉「脱原発」論までを幅広く批判する。「……という可能性を否定できない」という原発反対派の決まり文句は「風が吹けば桶屋が儲かる」可能性を否定できないのと同じと一蹴する。
(新潮社 760円)