「鳶 上空数百メートルを駆ける職人のひみつ」多湖弘明著

公開日: 更新日:

 時に数百メートルにもなる高所で、狭い鉄骨の梁の上を自在に動き回り作業する鳶の仕事は、実際に足を踏み入れた者でなければ決して知ることができない、想像をはるかに超えた世界だという。あのスカイツリーの建設にも携わった現役鳶職人の著者が、そんな鳶の世界を紹介するフォトエッセー。

 一口に工事現場といっても、そこには作業の進行状況に合わせ、さまざまな職種の職人たちが入り乱れ、働いている。そうした中にあって、鳶はその仕事内容のすさまじさから、かつては「神に近い存在」とされてきたという。

 どの業者よりも先に現場に足を運び、仮囲い(工事現場の柵)を組み、建物の骨となる鉄骨を建てるためのタワークレーン、そして鉄骨を組む。命を落とすような危険な場所にも真っ先に乗り込み、他の業者のために足場を組む鳶がいなければ、工事は進まないのだ。
 工事現場に欠かせないあの足場も、同じ場所・同じ用途であっても、組む人によって多種多様な足場ができ、職人の実力の差がはっきりと出る芸術作品なのだという。

 そして「鉄骨建方」と呼ばれる鳶職人の腕の見せどころの鉄骨を組み立てる作業など、鳶職人の仕事の内容を著者自身が撮影した写真とともに紹介していく。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱照ノ富士が“弟子暴行”で角界に大激震! 転籍組との微妙な関係、燻っていた「無理やり改名」の火種

  2. 2

    競泳アイドル池江璃花子の初ロマンスに見えてくる「2つの夢」…りくりゅうに続くメダルともうひとつ

  3. 3

    侍Jで待遇格差が浮き彫りに…大谷翔平はもちろん「メジャー組」と「国内組」で大きな隔たり

  4. 4

    弟子を殴った元横綱照ノ富士 どれだけ潔くても厳罰必至か…「酒瓶で…」「女性を庇った」飛び交う情報

  5. 5

    Adoの初“顔出し”が話題 ミステリアス歌手の限界と20年非公表の「GRe4N BOYZ」との違い

  1. 6

    Snow Man宮舘涼太の交際発覚にファンが怒るワケ 「よりによって相手は女子アナ…」

  2. 7

    元横綱・照ノ富士の暴力事件で伊勢ケ浜部屋は評判ガタ落ち…絶頂期が一転「指導者も親も嫌がる」

  3. 8

    イラン攻撃に沈黙する高市外交の“二枚舌” 米国とイスラエルの暴挙に「法的評価は控える」の笑止

  4. 9

    イラン攻撃が招く原油爆騰インフレの恐怖「サナエノミクス」で庶民への打撃拡大…それでも「利上げ」に反対なのか

  5. 10

    熱意と覚悟が欠如…国内男子ツアーの衰退を加速させる日本ゴルフツアー機構の“残念さ”