「大丈夫だよ!心配ないから マグネシウム社会の未来」小濱泰昭氏
「温暖化、異常気象、化石燃料の枯渇、放射能の問題など、地球は悲鳴を上げつつあるわけですが、それらが危険水域に達する前に、どこかで方向転換して地球を本来の環境に戻さねばなりません。じゃあ、その方法はあるのか、と自問し続け、ようやく見つけたのが、マグネシウムを燃料として利用する方法です」
本書は、マグネシウムを発電物質として利用する循環型社会構築(マグネシウム・ソレイユ・プロジェクト)の提唱者・小濱名誉教授自身が、その概要を平易に解説した初の著書である。
「マグネシウムはカメラ撮影のフラッシュ(閃光)に使われたほど燃えやすい金属です。そのマグネシウムの精錬方法として実用化されているのは、現在、大量の石炭を燃やして、1200度の高熱で加熱するピジョン法だけです。しかし、それには膨大な量の二酸化炭素を排出するというネックがあり、先進国では導入できないでいるんですね。で、私たち東北大学の研究チームは、直径10メートルの太陽炉で3727度の高熱をつくり出せていて、1200度で二酸化炭素のまったく出ないクリーンなマグネシウムの精錬に成功しました。この方法こそが、原発に代わる次世代エネルギーだと確信してます」