「里海資本論」井上恭介・NHK「里海」取材班著

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「里海」とは、「人手が加わることによって、生物多様性と生産性が高くなった沿岸地域」のこと。瀬戸内海生まれのこの考え方は、海洋資源枯渇や汚染など海の問題の解決法として急速に海外にも広がりつつある。

 1970年代、瀬戸内海では沿岸のコンビナートから流れ込む工場排水による汚染で、年間300回近くも「赤潮」が発生。その瀬戸内海の救世主となったのが、浄水能力が高いカキの養殖だった。

 さらに漁師たちはアマモという海藻の森を海中に再生し、酸素を供給。こうした瀬戸内海の復活の取り組みに学びながら、行き詰まった20世紀型経済打開のヒントを、里海の思想に探す。

(KADOKAWA 800円+税)

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