「『かぐや姫』誕生の謎」孫崎紀子著

公開日: 更新日:

 日本最古の物語「竹取物語」の謎に迫ったノンフィクション。

 大きな謎のひとつはその作者であるが、著者は菅原道真の孫・文時の名を挙げる。宮廷で全国の神社の神階やなまりを正しくする仕事に携わっていた文時は、大和国広瀬郡「さるき(散吉)神の社」を「さぬき(讃岐)神社」になまりを正した。しかし、これにより道真が編纂した「日本三代実録」の中の二注の散吉神をも消してしまうことに。たたりを恐れた文時が「さるき」を別の形で残そうと書いたのが「さるきのみやつこ」を主人公とする「竹取の翁の物語」だと説く。

 日本書紀に登場する渡来人から中世ペルシャと日本のつながりを考察しながら、竹取物語誕生の謎を解き明かす。(現代書館 2200円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇