「されど“男”は愛おしい」齋藤薫著

公開日: 更新日:

 人の美しさには、形の美しさと、清潔感が生む美しさの2種類がある。清潔感を保つことで〈国民的な好感〉を保ってきたのが〈フーテンの寅〉である。

 寅さんの身上である〈けがれなき情〉を伝えるために、映画のなかで無精ひげを生やしているイメージはなかったし、失恋して、何日も部屋にこもっていても、シャツの襟が汚れていたりすることはなかった。いつも恋が実らない寅さんは、美形であってはいけないが、清潔感が必要だったのだ。だが、美形で清潔感がある、清く正しくつまらない男は、〈面倒くさい感じ〉が生まれてしまう。

 人気エッセイストがモテる男の新基準を語る、タメになる本。(講談社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか