「サイコパス」中野信子著

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 脳学者が最新の知見からサイコパスの脳の謎を解き明かすサイエンス本。

 サイコパスとは、連続殺人犯などの反社会的な人格を意味する心理学用語。彼らは、罪を犯しても反省の色を見せず、そればかりか自己の正当性を主張する手記などを公表する。その外見は魅力的で社交的、会話も抜群に面白いが、関わった人間はだまされ、不幸のどん底に陥れられる。サイコパスは、100人に1人くらいの割合で存在しており、そのすべてが冷酷な犯罪者というわけではなく、大企業のトップなど大胆な決断を迫られる職業の人に多いという研究結果もある。また近年の研究で、脳内器質のうち、他者に対する共感性や「痛み」を認識する部分の働きが、一般の人とは大きく違うことが明らかになっているという。(文藝春秋 780円+税)

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