「醤油・味噌・酢はすごい」小泉武夫著
日本人の食卓に欠かせない3大調味料について解説した教養テキスト。
奈良時代から親しまれてきたこの3大調味料は、地球上で最も旺盛で強健な日本特有の「麹菌」が米や大豆、麦に繁殖して麹を作ることによって得られる。日本人は、田んぼのあぜに醤油や味噌の原料となる大豆を植えて同時期に収穫してきたという。魚介を生食する「刺し身」に醤油は欠かせず、酢がなければ酢締めや寿司もできない。また、食の保存という点においても大きな役割を果たしてきた。これらの調味料は神格化され神社に祭られるほど、日本人に大切にされてきた。
それぞれの歴史や製造過程、成分、そして近年分かりつつある発がん予防などの効能まで解説しながら、その魅力を紹介する。(中央公論新社 800円+税)