「新宿ゴールデン街物語」渡辺英綱著

公開日: 更新日:

 新宿ゴールデン街で酒場を営んできた著者が、街の変遷を内側から描いたルポルタージュ。

「お上に逆らわず、従わず」という精神を貫いてきた新宿の歓楽街としての歴史は江戸時代にまでさかのぼれるという。戦前、遊郭を中心に発展してきた新宿は戦争で一変。終戦の日の5日後には闇市が始まり、区画整理で移転を余儀なくされた露天商たちによってゴールデン街が形成された。しかし、当初、町には閑古鳥が鳴いていたため、組合の理事たちの話し合いで非合法売春に手を出し、「青線」と呼ばれる地帯へと発展していった。

 かつて売春に携わった女性たちや、街に出入りする文化人たちのエピソードなどを紹介しながら、磁場のように人々を引き寄せてきたゴールデン街の今昔を語る。(講談社 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    悠仁さまの進学先に最適なのは東大ではなくやっぱり筑波大!キャンパス内の学生宿舎は安全性も高め

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  1. 6

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  2. 7

    国民民主党・玉木代表まだまだ続く女難…連合・芳野友子会長にもケジメを迫られる

  3. 8

    「人は40%の力しか出していない」米軍特殊部隊“伝説の男”が説く人間のリミッターの外し方

  4. 9

    瀬戸大也は“ビョーキ”衰えず…不倫夫をかばい続けた馬淵優佳もとうとう離婚を決意

  5. 10

    迫るマイナ保険証切り替え…政府広報ゴリ押し大失敗であふれる不安、後を絶たない大混乱