水島宏明・法大教授が危惧「TVの萎縮はバラエティーにも」
【水島宏明・法政大学教授】
いまこそ、広い意味での“報道”のあり方が問われている。各局ともに、そんな段階での番組改編を迎えました。
自民党がテレビ朝日とNHKへの聴取を行った一件は、政権がテレビの中身に対して露骨に口を出し始めた象徴的な出来事といえます。これは報道にとってかなり危機的な状況です。しかし、この春の番組改編を見ても、テレビ側が現状に抵抗している気配は感じられません。
TBSは朝のニュース番組のキャスターやコメンテーターを入れ替えて、フジや日テレの視聴者である若い層を意識した改編を行いました。ニュース解説が少なくエンタメ色が強いニュース番組作りは、これで各局横並びになってしまった。
前回の衆院選挙の頃から、昼のワイドショーでも政治的なテーマが扱われる場面が減っています。当時、自民党が出した要請書がきいているのでしょう。選挙はもちろん、TPP問題のように「この日本をどうすべきなのか」といった類いの話題が、どんどん減っています。