松坂が涌井を復活させた
ロッテの涌井秀章(28)がいい。24日の楽天戦は六回途中でマウンドを降り、3敗目(2勝)となったが、この試合の前まで防御率1.86。上々の出だしである。
きれいな投球フォームで与死球が少ないこともあり、打者からすれば怖さを感じない投手。近年の不振は、投球時の左肩の開きが0.2~0.3秒ほど早くなっていたこと。胸のマークが相手打者に早く見えてしまえば、ボールの出どころが見やすくなってしまう。
それが昨年の後半から改善され、コントロールが良くなった。全ての球種をほぼ狙ったところに制球できている。全試合で試合がつくれている一番の要因だ。低迷期は140キロ前後だった直球も140キロ台半ばから後半に戻ってきた。多彩な変化球もこれで生きる。
下半身を強化したのだろう。涌井が古巣の西武時代から信頼を寄せるロッテの大迫幸一フィジカルコーチと二人三脚で取り組んでいて、この人の存在が大きいと話していたことがある。もともと、走るのが好きな男。下半身を鍛え直したことで開きが矯正され、制球力と球威が戻ったのだ。