桐生祥秀の世界陸上代表入りに立ちはだかる一発勝負の重圧
日本を代表するスプリンターの世界選手権(世界陸上)出場(8月、北京)が「ピンチ」だ。
男子100メートルで日本人初の9秒台が期待される桐生祥秀(19)。すでに世界陸上の選考レースのひとつである10日のゴールデングランプリ川崎の欠場を表明。今月14日からの関東学生対校選手権では100、200、400メートルへの出場を予定しているものの、これで世界陸上の出場権を得るチャンスは、6月の日本選手権(新潟)のみとなった。
世界陸上に出場するには日本陸連が定めた派遣標準記録(10秒16)をクリアしなければならない。今年3月のテキサス・リレー(米国)では、追い風参考ながら日本人最速となる9秒87をマークしたが、選考レースの対象外だった。日本選手権は代表入りを懸けた一発勝負となる。
すでに日本男子は、昨年の世界リレー選手権(バハマ)で5位に入り、世界陸上400メートルリレーの出場権を得ている。仮に桐生が派遣標準記録をクリアできなくても、リレーメンバーとしての代表入りは確実。強化委員会による推薦で100、200メートルにも出場できるだろうが、日本を代表する韋駄天が自力で個人レースに出場できない可能性もある。