大麻吸引選手にもう「更生の道」 SAJのメダル体質に苦言
本音が透けて見えるようだ。
コロラド州の遠征で大麻を使用していたスノーボード(スロープスタイル)男子の強化指定選手2人を除名処分にした全日本スキー連盟(SAJ)は、27日の会見では、問題の選手が未成年という理由で、氏名や年齢は非公表としたが、SAJの古川専務理事は、18年の平昌五輪に関しては「更生したら道を開く。間に合うかどうか、今は判断できない」と語った。
この連盟幹部の発言に「おかしな話です」と顔を曇らせたのはスポーツライターの工藤健策氏だ。
「SAJは、なぜこのようなことが起こったのかという原因を徹底調査し、再び選手が禁止薬物に手を出さないためにはどうすればいいのかを考えることです。不祥事が発覚し、処分を発表する場において、大麻を使用した選手が平昌五輪に間に合うかどうかを持ち出すなんて、どうかしている。日本はソチ五輪で8個のメダルを取り、そのうち3個はスノーボードだった。SAJにとっては、次の五輪でメダルが狙える大事な選手なのかもしれないが、選手の人間性より五輪メダルに重きを置く連盟の体質がよく分かる。それにしても、今の選手たちは、日本を代表している意識がここまで希薄なのかと呆れます。選手自身の問題なのか、親や指導者が悪いのか……」
2人の選手は連盟から除名されても、プロの活動は規制されない。高額賞金を争う大会には参加できる。処分は痛くもかゆくもないに違いない。