育成重視どこへ? 阪神“札束攻勢”でオリFA糸井獲りの愚
阪神もFAでは苦い経験をしている。14年のオフ、当時33歳だった鳥谷を「5年20億円」でFA残留させた。メジャー志向の強かった鳥谷にペコペコしながら大金を積んで残ってもらったものの、その鳥谷は5年契約2年目の今季、過去最低の打率・236と振るわず、遊撃のポジションを北條(22)に取って代わられるのも時間の問題。年俸4億円の「不良債権」と化しそうな気配だ。
折しも今季から指揮を執る金本監督は「超変革」をテーマに、生え抜きの育成に力を注ぎ始めたばかり。なのに性懲りもなくトウの立ったFA選手に飛び付けば、若手の活躍の場を奪うようなものではないか。前出の吉川氏が言う。
「30代半ばの選手に大型契約だなんて考えられませんよ。外国人選手だって3、4年の大型契約を結べば1、2年目は必ずといっていいくらい手を抜くでしょう。あっちが痛い、こっちも痛いと言っては、よく、休んでるじゃないですか。高い給料を払っている手前、結果が出なくても使わざるを得ない。ファームの若手のやる気をそぐことにもなります。FA選手の獲得が、若手育成の芽を摘むということがなぜ分からないのか理解に苦しみますね」