検察vs政界 経済事件記者の検証記
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【東京佐川急便事件】異聞(235)3万件を超す告発はいずれも検察からすると筋悪だった
ロッキード事件と違い、3万件を超える告発が検察に寄せられた金丸信の5億円闇献金政界ばらまき疑惑。 告発内容は多岐にわたったが、東京地検特捜部が作成した「金丸信らに対する告発一覧表(類型別)」…
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【東京佐川急便事件】異聞(234)榎本調書の存在は当時、報道されず。結果、市民からの告発はなかった
ロッキード事件で元首相の田中角栄が逮捕された後、世論の関心は、田中が受け取った5億円の使途がどうなったのかよりも、ロ社副会長の米議会証言などで浮上した、田中同様にロッキード・マネーを受け取ったとされ…
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【東京佐川急便事件】異聞(233)田中角栄は、賄賂とされた5億円は選挙のため業界ごとに割り当てた金だった証言
筆者は、2010年、朝日新聞の連載企画「検証 昭和報道」でロッキード事件を取り上げた際、1974年の参院選に立候補した議員らに当時首相だった田中角栄の指示で現金を運んだとする秘書の榎本敏夫の供述調書…
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【東京佐川急便事件】異聞(232)田中角栄は丸紅から受けとった5億円を参院選候補にばらまいた
金丸信の5億円闇献金の使途捜査の話に入る前に少し脇道をする。 検察はかつて、収賄容疑で逮捕した大物政治家の秘書から、政治家の指示で賄賂の金を含む巨額資金を国政選挙で派閥の国会議員らにばらまい…
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【東京佐川急便事件】異聞(231)特捜部、最後の仕事は金丸信5億円闇献金の使途解明
さて、本論の金丸信の5億円闇献金捜査に戻る。 東京地検特捜部の最後の仕事は、金丸が東京佐川元社長の渡辺広康から受け取った5億円闇献金の使途の解明だった。 金丸は、朝日新聞報道を受けた…
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【東京佐川急便事件】異聞(230)平和堂不動産社長はその後も、風説の流布や架空増資事件に連座した
平和堂不動産社長と検察との戦いは続いた。 懲役5年の実刑判決が確定して服役した平和堂不動産社長は、出所後の2000年11月、東証1部上場の大手中華レストラン「東天紅」に対するTOB(株式公開…
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【東京佐川急便事件】異聞(229)逮捕前の被疑者から事件の真相を聞くのは記者本来の仕事
平和堂不動産社長が文藝春秋(1992年11月号)のインタビューで、朝日新聞記者に言及した記事の引用を続ける(太字部分)。 「その記者は『自分は検察とツーツーなので、社長のためにいろいろ情報を流…
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【東京佐川急便事件】異聞(228)平和堂不動産社長が文藝春秋誌上で「朝日新聞記者」批判
余談になるが、朝日新聞は平和堂不動産社長の検察「告発」でとばっちりを食った。社長は文藝春秋のインタビュー記事で「朝日新聞記者」が取材をしないで勝手に記事を書いたり、検察と癒着して事件をフレームアップ…
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【東京佐川急便事件】異聞(227)「一攫千金をもくろんだ」と裁判所は平和堂不動産社長を断罪
そして判決。裁判所は検察に軍配を上げた。1993年12月9日、東京地裁は、特別背任罪などに問われた平和堂不動産社長に対し、懲役5年(求刑懲役7年)の実刑判決を言い渡した。 注目されたのは、平…
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【東京佐川急便事件】異聞(226)大手マスコミは「違法捜査」告発に反応しなかった
当時の大手マスコミは、文藝春秋の検察告発記事にほとんど反応しなかった。 日経テレコンの記事データベースで関係記事の見出しを並べると、「『獄中メモ』報道の平和堂グループ元代表被告、起訴事実認め…
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【東京佐川急便事件】異聞(225)「記憶だけで事実は出ない。資料をもとに聴いた」と担当検事
特捜部は緻密な捜査で、平和堂不動産社長の「獄中日記」作成過程の「ズル」を発見した。さすが特捜である。しかし、告発の手段にズルがあったからといって、告発の中身もいい加減とは限らない。 平和堂不…
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【東京佐川急便事件】異聞(224)獄中ノートでも証拠隠滅の疑い
もうひとつ、怪しい話があった。 東京拘置所で勾留中の平和堂不動産社長が小六法を入手したのは92年3月16日。しかし、小六法には2月14日に逮捕されて以降の記載があった。検察側は小六法に後から…
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【東京佐川急便事件】異聞(223)特捜部の捜査で「獄中日記」の確定日付文書の改ざん疑惑が浮上
東京地検特捜部から違法な取り調べを受けたと「告発」した平和堂不動産社長。その告発の根拠としたのが、小六法の余白に記した「獄中日記」のコピーに付された確定日付だった。 社長は文芸春秋のインタビ…
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【東京佐川急便事件】異聞(222)右翼関係者も渡辺元社長への裏金還流捜査を危惧?
平和堂不動産社長が電話で会話した右翼関係者は、戦後「日本の黒幕」といわれた児玉誉士夫の門下生で、「全日本愛国者団体会議」で最高顧問を務めた大物右翼、岡村吾一の秘書だった。 岡村は政財界に広い…
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【東京佐川急便事件】異聞(221)平和堂不動産社長は取り調べの間に右翼関係者に電話した
平和堂不動産社長は、検察捜査「告発」の動機について、文藝春秋のインタビューで以下のように語っていた。(太字は引用) 「何をいっても検事が一切聞いてくれなかったからです。最初から、『渡辺の全てを…
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【東京佐川急便事件】異聞(220)渡辺元社長の起訴事実否認と連動。平和堂不動産社長は捜査非協力に
東京佐川元社長の渡辺広康の特別背任容疑の共犯に問われた平和堂不動産社長は1992年6月25日、自らの初公判で起訴事実を認め、7月2日の第2回公判では検察側が証拠請求した自らの供述調書を含む書証全てに…
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【東京佐川急便事件】異聞(219)「獄中日記」に検察反撃。法曹用語を多用した記述などに注目
検察側は反撃に乗り出す。 捜査記録によると、平和堂不動産社長の取り調べを担当した検事は「公判維持が難しい背任の共犯で無理に逮捕したのは政治家に金を渡しているとの見込みからである」「裏金の還流…
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【東京佐川急便事件】異聞(218)平和堂不動産社長の弁護人は「俺の手は真っ黒だ」と言って辞めた元検事
平和堂不動産社長による特捜部の違法捜査批判は、「獄中日記」という一定の「物証」を根拠にした「告発」だった。社長の主張通りなら、特捜部の取り調べ手法は、「人質司法」や「違法な司法取引による利益誘導」の…
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【東京佐川急便事件】異聞(217)金丸や元運輸相の名をあげ「金を渡しただろう」と迫る検事
平和堂不動産社長の「獄中日記」の話を続ける。 東京佐川元社長、渡辺広康への裏金還流の特定が終わると、特捜部の捜査の焦点は渡辺の闇献金先の政治家に移った。社長は「獄中日記」で、その様子を以下の…
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【東京佐川急便事件】異聞(216)平和堂不動産社長は捜査段階で認めた東京佐川元社長への裏金還流を全否定
特捜部にとってさらに重大だったのは、平和堂不動産社長が月刊文芸春秋の「獄中日記」で、東京佐川元社長、渡辺広康の依頼で東京佐川から受けた融資保証の謝礼として十数億円の裏金を渡辺に渡したとの捜査段階の供…