「牛乳は子どもによくない」佐藤章夫著
1954年の学校給食法制定以降、日本では給食の献立に牛乳を加えることを強制し続けている。しかし本書は、牛乳の押しつけを直ちにやめるべきと警鐘を鳴らす。
牛乳はカルシウムの供給源として欠かせないものと思われているが、実は牛乳に豊富なタンパク質の取り過ぎが、何と骨粗しょう症のリスクを高めることが、近年の研究から明らかになっているという。さらに、妊娠した牛から搾られている牛乳には、大量の女性ホルモンと黄体ホルモンが含まれている。これらが、女性の乳がんと男性の前立腺がんの増加に大きく関わっている可能性があるという。
実際、乳製品消費量の増えた1950年代以降、これらのがんが増加している。
これでも、牛乳を飲むべきか。
(PHP研究所 980円+税)