「インターネット・ゲーム依存症」岡田尊司氏
スマートフォンの普及によって、どこでもインターネットゲーム(ネトゲ)ができるようになり、ラインやフェイスブックも頻繁にチェックするので、子どもたちの寝床は不夜城になった。
「いま日本で起きている事態は、子どもや若者の現在だけでなく、未来までも破壊しかねない危険なものだと知ってほしいと思い、この本を書きました。時間が奪われるだけではなく、脳の機能低下や脳の萎縮までもが起きてしまうのです」
最新の画像解析によると、ネット依存者の脳内は、覚醒剤依存症と同じような神経ネットワークの乱れが見られる。
「24時間、寝室でもスロットマシンができるラスベガスの特別室に暮らしているようなものです。覚醒剤や麻薬の依存と変わりません」
代表的なオンラインゲーム「ワールド・オブ・ウォークラフト」は700万人がプレーしているという。非日常的な興奮、オンラインの仲間からの承認、戦果をあげる達成感が魅力だが、怖いのは、現実生活でつまずいたとき、依存の泥沼に入り込みやすいこと。目先の興奮や楽しさのために、やるべきことができなくなる罠に、子どもや若者がはまりつつあると警鐘を鳴らす。