「野望の旅路」今井功一著

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 昭和35年、地方紙の記者の上村は、本社への異動を断り会社を辞める。交通事故死した親友の妻・怜子に思いを寄せるため、東京を離れるわけにはいかなかったのだ。

 上村は、父親の友人だった鍋島が役員を務める旅行斡旋会社くろがね観光に入社。満鉄出身の鍋島は、今は亡き親会社の鉄道会社創業者からゆくゆくは社長の椅子を約束され、同社にスカウトされていた。

 しかし、上村は周囲の話から、鍋島が親会社出身の役員と対立し、社内で孤立していることを知る。一方で上村は配属先の営業所の所長古城の下で働くことに屈辱感を抱き、耐えられない。

 旅行会社を舞台に派閥抗争に明け暮れる男たちの姿を描いた長編小説。(幻冬舎 1500円+税)


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