頭と心を癒してくれる昆虫ワールド

公開日: 更新日:

「ゆるふわ昆虫図鑑」じゅえき太郎著

 書名に昆虫図鑑とあるが、登場するのはカブトムシやアリ、ハチ、バッタなど、ありふれた虫ばかり。それどころか、それぞれの虫についての解説も何も載っていない。

 実は本書は、擬人化された虫たちを主人公に、彼らの日常を面白おかしく描いたコミックなのだ。

 例えば、口数の少ない努力家のオオクワガタは、ライバルのカブトムシに「この夏はぜってー、負けねーぞ!!」と熱い思いを胸に秘めて、日々トレーニングに励む。そんなある日、サナギの状態のカブトムシと遭遇。オオクワガタに気づいたカブトムシは焦りを募らせるが、オオクワガタは「サナギに手をだすほど、オレはヤボじゃない」と見て見ぬふりをして通り過ぎる――といった具合に著者独自の昆虫ワールドを、いわゆるヘタウマ系コミックで描く。

「情報操作」と題がつけられた4コマは、コオロギが池のオタマジャクシたちを集め、「コオロギには毒があります。絶対食べてはいけません」と、彼らがカエルに成長した時に備え、洗脳しようとする姿が描かれる。

 恋人の父親に「娘さんをください」と結婚の承諾を求めるオンブバッタに、トウサンバッタが一言「うん。そーいうのは、娘からおりて言いなさい」。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  4. 4
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  5. 5
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  1. 6
    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

  2. 7
    巨人・秋広が今季初昇格も阿部監督「全く期待していない」…のんきな性格がアダで早くも背水の陣

    巨人・秋広が今季初昇格も阿部監督「全く期待していない」…のんきな性格がアダで早くも背水の陣

  3. 8
    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

  4. 9
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

  5. 10
    人間性やスタンスが如実に表れたMLB挑戦時の「西海岸かつ小規模都市」へのこだわり

    人間性やスタンスが如実に表れたMLB挑戦時の「西海岸かつ小規模都市」へのこだわり