パニック障害で女優生命の危機だった田中美里
<2000年12月>
97年のNHK連続テレビ小説「あぐり」で主役のあぐり役を演じた田中美里。その後も順調にキャリアを重ねていたが、2000年12月、23歳でパニック障害を発症し、芸能活動を3カ月間休止、一時は女優生命の危機まで噂された。
田中が体調の変化を感じたのは2000年春、NHK時代劇「一絃の琴」の収録を行っていたころだった。従来の演出とはガラリとイメージが違う演技を要求され、セリフが出ない、動けないという状況に陥ってしまった。この時は周囲のフォローもあり、何とか乗り切ったが、体調不良は確実に進行していた。
7階のスタジオに入る田中はエレベーターを使わず階段を上っていた。当初、健康のためかと思っていたマネジャーが話を聞いてみると、狭い空間に他人と一緒にいると動悸(どうき)を感じたり、心拍数が異常に高くなったりするため、エレベーターに乗れないと告白した。
この時は「ちょっと疲れているのかなあ」と思った田中だったが、その後、翌01年公開の映画「みすゞ」ロケ先の山口県に行った際、突然、人前で話せなくなった。さらにわけもなく涙が出てくるというアクシデントも起きた。さすがに「どこかがおかしい」と気がついて、12月に病院で診察を受け、「パニック障害」と診断された。